プログラムの状況を1枚で見せる
プログラムの報告資料は、放っておくと厚くなります。各プロジェクトが5枚ずつ出してきて、合計30枚。運営委員会の60分では、とても読み切れません。
必要なのは、1枚です。そして、そこに載せるものは決まっています。

■ 1枚に載せる4つのブロック
図の例は、次の順に並んでいます。
成果の状況:主指標と、それを支える中間指標。開始時の値と目標値を必ず添える
構成プロジェクト:各PJの状態を3色で。詳細は書かない
注意している依存・リスク:3件まで
判断いただきたいこと:2件まで
順番が重要です。多くの報告資料は②から始まります。しかし読む側がまず知りたいのは①の成果です。プロジェクトが順調かどうかより、数字が動いているかどうかが関心事です。
■ 成果のブロックの作り方
指標を書くときは、必ず3つの数字を並べます。
書くもの | 例 | ないとどうなるか |
|---|---|---|
現在の値 | 3.8日 | — |
開始時の値 | 5.0日 | 改善したかが分からない |
目標の値 | 2.0日 | あとどのくらいかが分からない |
図の例では、実施率61%だけが赤字になっています。問題のある数字だけ色を変える。全部を色分けすると、どこを見ればいいか分からなくなります。
■ プロジェクトの状態は3色で十分
「順調・注意・遅延」の3段階にします。細かい進捗率は載せません。
大事なのは、色の基準を決めておくことです。決めておかないと、報告者によってばらつきます。
色 | 基準の例 |
|---|---|
順調 | 次の節目に予定どおり到達する見込み |
注意 | 2週間以内の遅れ。PJ内で挽回できる見込み |
遅延 | 次の節目に間に合わない。または他PJに影響が及ぶ |
この基準を各プロジェクトマネージャーに配っておけば、自己申告でも精度が上がります。
■ 判断事項がこの資料の目的
④のブロックが、この1枚の存在理由です。ここに書かれたことを決めてもらうために、会議を開いています。
書き方は、前の記事でも触れたとおりです。
決めてほしいことを1文で
選択肢は2つ(それぞれの影響を数字で)
推奨と理由
決めなかった場合に起きること
1枚に収まらない場合は、この4点だけ1枚に書き、詳細を別紙にします。1枚目に判断事項がない資料は、報告会になります。
■ 作る手間を減らす
この1枚を毎月作るのは、それなりの作業です。軽くする工夫を3つ。
工夫 | 効果 |
|---|---|
形式を固定する(項目も順番も変えない) | 毎回の判断が減り、作成時間が半分になる |
数字の取得元を決めておく | 「どこから取った数字か」の確認が不要になる |
各PJからの報告も同じ形式にする | 転記だけで済む。翻訳作業がなくなる |
3番目が効きます。各プロジェクトが自由な形式で報告してくると、プログラム側で毎回作り直すことになります。最初に様式を配っておくだけで、この作業がなくなります。
■ 過去の1枚を並べて保管する
この1枚は、毎回上書きせずに、日付をつけて残してください。数か月分を並べると、指標の動きと、判断の履歴が一覧になります。
プログラムの終わりに振り返るとき、この積み重ねが最良の資料になります。
■ まとめ
プログラムの報告は1枚にまとめ、成果・構成PJ・リスク・判断事項の順に並べる。指標は現在値・開始値・目標値の3点セットで、色は問題のある箇所だけ。
次の報告の前に、いまの資料の1枚目に何が書いてあるか見てみてください。成果の数字でなければ、順番を入れ替えるだけで会議の質が変わります。