SWOT分析とは?クロスSWOTで戦略を導く方法
SWOT分析とは
SWOT分析は、自社(または事業・プロジェクト)を取り巻く状況を、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の4つに整理するフレームワークです。
PEST分析・5フォース分析・3C分析・バリューチェーン分析などで集めた情報を一枚にまとめ、戦略の方向性を導き出すための「整理と統合」の道具として位置づけられます。
4つの要素
SWOTは「内部環境か外部環境か」「プラスかマイナスか」の2つの軸で整理します。
プラス要因 | マイナス要因 | |
|---|---|---|
内部環境(自社でコントロールできる) | Strengths(強み) | Weaknesses(弱み) |
外部環境(自社でコントロールできない) | Opportunities(機会) | Threats(脅威) |
Strengths(強み)
技術力、ノウハウ、特許
ブランド力、顧客基盤、販売チャネル
人材、組織力、財務体質
Weaknesses(弱み)
人材やスキルの不足
コスト構造、資金力の制約
知名度の低さ、商品ラインナップの偏り
Opportunities(機会)
市場の拡大、新たな顧客ニーズの出現
規制緩和、新技術の普及
競合の撤退や弱体化
Threats(脅威)
市場の縮小、競争の激化
新規参入や代替品の登場
法規制の強化、景気悪化、原材料価格の高騰
クロスSWOT分析で戦略を導く
SWOT分析は4つに分類するだけでは不十分です。内部環境と外部環境を掛け合わせるクロスSWOT分析によって、具体的な戦略の方向性を導き出します。
機会(O) | 脅威(T) | |
|---|---|---|
強み(S) | S×O:積極化戦略 | S×T:差別化戦略 |
弱み(W) | W×O:改善戦略 | W×T:防衛・撤退戦略 |
SWOT分析の進め方
目的と対象を明確にする:会社全体なのか、特定の事業・製品・プロジェクトなのかを決めます。対象が曖昧だと、強み・弱みの判断がぶれます。
外部環境(機会・脅威)を整理する:PEST分析や5フォース分析の結果を活用します。
内部環境(強み・弱み)を整理する:3C分析の「自社」やバリューチェーン分析の結果を活用し、競合と比較して評価します。
クロスSWOTで戦略案を出す:4つの組み合わせごとに具体的な施策を考えます。
優先順位をつけて実行計画に落とし込む:効果・実現性・緊急性などで評価し、アクションにつなげます。
よくある失敗と注意点
分類して終わる:4つの枠を埋めることが目的化しがちです。必ずクロスSWOTで戦略まで導きます。
内部と外部を混同する:「市場が伸びている」は外部の機会であり、自社の強みではありません。自社でコントロールできるかどうかで判断します。
強み・弱みを主観で決める:社内の思い込みではなく、顧客の評価や競合との比較に基づいて判断します。
同じ要素が両面を持つことを見落とす:例えば「規制強化」は脅威にも、対応力のある企業にとっては参入障壁という機会にもなります。目的に照らして位置づけます。
根拠のない項目を並べる:データや事実に基づき、具体的に記述します。
戦略フレームワーク全体の流れ
これまで紹介したフレームワークは、次のように組み合わせて使うと効果的です。
PEST分析:マクロ環境の変化を捉える
5フォース分析:業界の構造と収益性を把握する
3C分析:市場・競合・自社の関係を整理する
バリューチェーン分析:自社の強み・弱みの源泉を特定する
SWOT分析:すべてを統合し、クロスSWOTで戦略の方向性を導く
PMの実務への応用
プロジェクト立ち上げ時の状況整理:チームの強み・弱み、外部の機会・脅威を整理し、プロジェクト計画の前提をそろえられます。
リスクマネジメント:弱みと脅威はリスクとして、強みと機会は活用すべき好機として、リスク登録簿の検討に活用できます。
提案書・企画書の作成:クライアントの現状をSWOTで整理し、クロスSWOTから提案の方向性を論理的に示せます。
振り返り・改善:プロジェクト終了時に組織の強み・弱みを整理し、次のプロジェクトに活かせます。
まとめ
SWOT分析は、内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を整理するフレームワーク
クロスSWOT分析で掛け合わせることで、具体的な戦略の方向性を導き出せる
PEST・5フォース・3C・バリューチェーンの分析結果を統合する役割を持ち、実行計画まで落とし込むことが重要