未来PM
PjMノウハウ

新任PMが最初につまずくこと

PMになったばかりの時期は、うまくいかないことが続きます。

ただ、つまずく場所はだいたい決まっています。しかも、その多くは「まじめな人ほど陥る」形をしています。前の役割では正しかったことが、PMの役割では逆に働くからです。

新任PMがつまずきやすい8つのことの図


■ ① 自分で作業を抱え込む

メンバーが詰まっているのを見ると、つい自分で手を動かしたくなります。実際、自分でやったほうが早いことも多いでしょう。

しかし、これをやると3つのことが起きます。

  • PMの手が塞がり、全体を見る人がいなくなる

  • メンバーは学ぶ機会を失う

  • 次も同じことが起きる

抜け出し方は、代わりにやるのではなく、何が分からないかを一緒に整理することです。「どこまでは分かっていて、どこから分からないですか」と聞くところから始めます。


■ ② 技術で認められようとする

技術者からPMになった人に多いつまずきです。設計の細部に口を出し、実装方法を指示し、コードレビューまでやってしまう。

気持ちは分かりますが、それをやるとPMの仕事をする時間がなくなります。

PMが認められるのは、技術力ではありません。詰まりを先に見つけること、判断が要る場面で決めること、関係者を動かすことです。技術はメンバーに任せます。


■ ③ 悪い知らせを抱える

遅れや問題に気づいたとき、「もう少し様子を見てから報告しよう」と考えてしまう。新任PMに非常に多い形です。

理由も分かります。対策が決まっていない状態で報告すると、無能だと思われそうだからです。

しかし実際は逆で、報告が遅れるほど評価は下がります。

いつ報告するか

上司の受け取り方

残っている選択肢

気づいた日

早く共有してくれた

人を足す、範囲を削る、納期を相談する

1週間後

なぜ早く言わなかったのか

残業で埋めるくらい

手遅れになってから

管理できていない

なし

対策が決まっていなくても、事実だけ先に伝えてかまいません。「◯◯が遅れています。原因を確認中です。夕方までに状況をお伝えします」で十分です。


■ ④ 「順調です」を鵜呑みにする

進捗会議で全員が「順調です」と答える。それを信じて、そのまま報告する。そして数週間後に、実は遅れていたことが分かる。

これは、メンバーが嘘をついているわけではありません。本人も「順調のつもり」なのです。

防ぐには、感覚ではなく数で聞きます。

  • ×「進捗はどうですか」

  • ○「全部で何件のうち、何件終わりましたか」

  • ○「終わっていない分で、いま困っているものはありますか」


■ ⑤ 全部の会議に出る

呼ばれた会議に全部出ていると、1日が埋まります。そして先を見る時間がゼロになります。

出るかどうかは、次で判断します。

判断

基準

出る

自分が決めることがある/悪い知らせが出る可能性がある

出ない

状況共有だけ/議事メモを読めば足りる

途中まで出る

自分に関係する議題だけ出る

断るときは、「議事メモをいただければ確認します」と添えると角が立ちません。


■ ⑥ 決めずに持ち帰る

自信がないと、「持ち帰って検討します」と答えたくなります。しかしこれを繰り返すと、PMのところで作業が止まります。

対処は2つです。

  • その場で決められることは、その場で決める(小さいことほど即決する)

  • 決められないなら、いつ決めるかをその場で決める

「持ち帰ります」ではなく「明日の午前中までに回答します」と言えば、相手は待てます。


■ ⑦ 記録を残さない

忙しいと、議事メモを後回しにします。そして数週間後に「言った・言わない」が始まります。

完璧な議事録は要りません。決まったことだけ、3行で、その日のうちに書きます。

  • 決まったこと

  • 誰が、いつまでにやるか

  • 決まらなかったこと(次にいつ決めるか)


■ ⑧ 一人で全部背負う

最後が、いちばん大事です。

新任PMは「自分が全部やらなければ」と思いがちですが、PMは一人で成立する役割ではありません。

  • 上司に、順調なうちから状況を話しておく

  • 他のPMに、やり方を聞く

  • メンバーに、分からないことは分からないと言う

とくに「順調なうちから話しておく」のが重要です。困ってから初めて相談すると、相手も状況が分からず、対応が遅れます。


■ 最初の数か月は、できなくて普通

PMの仕事は、前の役割とは性質が違います。手を動かす仕事から、人と情報を動かす仕事に変わります。すぐにできるほうが珍しいと考えてください。

分かれ目になるのは、うまくできるかどうかではありません。詰まったときに、早く相談できるかどうかです。


■ まとめ

新任PMがつまずく場所は、次の3つに集約されます。

  • 抱え込む(作業も、悪い知らせも、判断も)

  • 数字で確認しない(口頭の「順調です」で進む)

  • 記録を残さない

思い当たるものがあれば、まず1つだけ変えてみてください。今日の会議で「全部で何件のうち何件終わったか」を聞く。ここからで十分です。

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