PMとして伸びるための学び方
「PMとして、次に何を伸ばせばいいのか分からない」。ある程度経験を積んだ人から、よく出る質問です。
プログラミングのように「この技術を覚えた」とはっきり言えるものが少ないため、成長が見えにくいのがPMという仕事です。ただ、伸びていく順番にはある程度の型があります。

■ PMが伸びていく4つの段階
第1段階:決められた形で回す
工程表を引き、課題表を運用し、定例を回す。教わったとおりにできる段階です。
ここで身につけるべきは、型どおりにやりきる力です。自己流を入れる前に、一度は標準的なやり方を最後まで通します。
第2段階:先を読んで手を打つ
問題が起きてから対応するのではなく、起きる前に気づいて動ける段階です。
来週、誰の手が足りなくなるか
この決定が遅れると、どこが止まるか
この顧客はこの時期に何を言い出しそうか
この力は、経験の量と、振り返りの質で決まります。
第3段階:人と場を動かす
立場の違う人たちを、同じ方向に向けられる段階です。発注元の部門間の対立、社内の利害、ベンダーとの調整。技術ではなく、合意をつくる力が問われます。
第4段階:型を他人に渡す
自分がやっていることを言葉にして、他のPMに渡せる段階です。テンプレートを作る、後進を育てる、組織のやり方を整える。
ここまで来ると、自分が担当していないプロジェクトの成功にも貢献できます。
■ 経験から学ぶ
PMの力の大部分は、現場でつきます。ただしただ数をこなすだけでは伸びません。
案件が終わるたびに振り返る
失敗の反省だけでなく、うまくいった理由も必ず書きます。「なぜうまくいったか」が分かっていないと、再現できません。
他のPMのやり方を見る
1日でいいので、他のPMの定例会議に同席させてもらいます。議事の進め方、詰まったときの切り返し方。自分の型の癖が、そこで初めて見えます。
一度は最初から最後まで担当する
規模は小さくてかまいません。立ち上げから完了までを通して経験すると、各工程が後にどう効いてくるかが体感で分かります。途中参加ばかりだと、この感覚が育ちません。
失敗を記録に残す
自分用で十分です。「何が起きたか」「どう対応したか」「次はどうするか」の3行。数年後、同じ状況で必ず役に立ちます。
■ 知識から学ぶ
経験だけだと我流になり、うまくいったやり方が他の現場で通じない、ということが起きます。
体系を一度通しで学ぶ
プロジェクトマネジメントの体系を一度きちんと学ぶと、自分がやってきたことに名前がつきます。名前がつくと、他人と会話できるようになります。「リスクの転嫁」「クリティカルパス」といった言葉が通じると、相談も早くなります。
資格は「現状の整理」に使う
資格を取ること自体は目的になりません。ただ、学習の過程で自分の知識の穴が分かるのは大きな価値があります。抜けている領域を知るための道具として使います。
他社のPMと話す場を持つ
社内だけにいると、自社のやり方が当たり前になります。他社のPMと話すと、「それはうちの会社の事情だったのか」と気づくことがよくあります。
業務知識を学ぶ
担当している業界の業務知識は、そのまま判断の速さになります。顧客の言っていることが分かると、確認のための往復が減ります。
■ 何を伸ばすかの決め方
全部やろうとすると続きません。次の問いに答えてみます。
直近のプロジェクトで、うまくいかなかった場面はどこか
それは知識が足りなかったのか、経験が足りなかったのか、伝え方の問題か
詰まった場所が、次に伸ばすべき場所です。一般論のスキル一覧より、自分の失敗のほうが正確な地図になります。
■ 伸び悩んだと感じたときは
同じ規模・同じ業界の案件を繰り返していると、ある時期から学びが減ります。
そのときは、条件を1つ変えます。
規模を変える(人数、期間)
立場を変える(発注側、受注側)
領域を変える(違う業界、違う技術)
全部変える必要はありません。1つ変えるだけで、見えるものが変わります。
■ まとめ
PMの成長は、経験と知識の行き来で進みます。経験だけでは我流になり、知識だけでは現場で使えません。
まずは直近の案件を1つ振り返って、うまくいかなかった場面を1つ書き出してみてください。次に学ぶべきことは、たいていそこにあります。