PMの一日の時間の使い方
「一日中忙しかったのに、プロジェクトは何も進んでいない気がする」。PMがよく感じる感覚です。
これは気のせいではありません。PMの時間は、意識して確保しないと、必ず他人の都合で埋まります。会議の招集、メンバーからの相談、顧客からの問い合わせ。どれも断りにくいものばかりです。

■ PMの仕事は「今日のこと」ではなく「先のこと」
PMにしかできない仕事は何かを考えると、答えははっきりしています。
来週、来月に詰まりそうな場所を先に見つける
関係者の間で、決まっていないことを決めさせる
人の配置と、優先順位を判断する
どれも「先を見る仕事」です。これに使う時間がゼロの日が続くと、トラブルが表に出てきたときにしか動けなくなります。
■ 時間配分の目安
プロジェクトの状況で変わりますが、目安として次の割合を意識します。
会議:3割
先を見る仕事:3割
メンバーの相談対応:2割
余白:2割
重要なのは最後の「余白」です。予定を100%埋めると、突発が1件起きただけで、その日のすべてが後ろにずれます。余白は怠けではなく、突発に対応するための備えです。
■ 一日の組み立て方
始業直後の15分:点検
メールとチャットに返信する前に、課題管理表を開きます。見るのは1点だけです。
今日、止まりそうなものはどれか
見つけたら、その1件を今日の最優先にします。返信から始めると、その日は他人の予定で埋まります。
午前:先を見る仕事
頭が動く時間帯を、判断が必要な仕事に使います。来週以降の段取り、調整が必要な件の根回し、設計方針の確認。
この時間は、カレンダーに予定として入れてしまうのが確実です。空いていると、会議で埋まります。
午後:会議と相談
人が集まる仕事は午後に寄せます。まとめて置くと、細切れの時間が減ります。
終業前の10分:締め
今日決まったことを、課題表か決定事項ログに書きます。そして、明日いちばんに取りかかる1件を決めておきます。
これをやっておくと、翌朝に「何から手をつけるか」で迷う時間がなくなります。
■ 作業を抱え込まない
PMが時間を失ういちばんの原因は、メンバーの作業を肩代わりしてしまうことです。
「自分がやったほうが早い」は、たいてい正しいのですが、やってしまうと次の3つが起きます。
PMの手が塞がり、先を見る時間が消える
メンバーは学ぶ機会を失う
次も同じ状況になる
詰まっているメンバーがいたら、代わりにやるのではなく、何が分からないのかを一緒に整理するところまでにします。それがPMの仕事です。
■ 割り込みへの対応
「ちょっといいですか」を全部その場で受けると、一日が細切れになります。かといって断ると、相談が来なくなります。
折り合いのつけ方は、いつ答えるかをその場で伝えることです。
「今すぐ必要ですか。それなら5分で聞きます」
「急ぎでなければ、14時に時間を取ります」
相手が知りたいのは「いつ答えてもらえるか」です。それさえ分かれば、待てます。
■ 週に1回、1時間だけ先を見る
毎日が無理でも、これだけは確保します。
週の後半に1時間、会議も入れず、誰にも話しかけられない時間を作ります。そこでやるのは、工程表を3週間先まで眺めることだけです。
来週、誰の手が空きすぎ/埋まりすぎになるか
まだ決まっていない判断で、いつまでに決める必要があるものはどれか
顧客側の回答待ちで、止まりそうなものはあるか
この1時間で見つかった1件が、数週間後の遅れを防ぎます。
■ まとめ
PMの一日は、放っておくと他人の都合で埋まります。確保すべきなのは、先を見る時間と余白の2つです。
明日、始業直後の15分だけ、返信より先に課題表を開いてみてください。一日の見え方が変わります。