会議とチャットの使い分け
「会議が多すぎて、作業する時間がない」。プロジェクトが忙しくなるほど、よく聞く声です。
ただ、会議を減らそうとして全部チャットに移すと、今度は「決まらない」状態になります。会議には会議の役割があるからです。

■ 会議・チャット・文書には、それぞれ役割がある
3つは代わりになるものではなく、役割が違います。
会議=結論を出す場
チャット=事実を確認する場
文書=決まったことを残す場
会議が多すぎるプロジェクトは、チャットや文書で済むことまで会議でやっています。逆に決まらないプロジェクトは、会議でやるべきことをチャットで済ませようとしています。
■ 会議でやるべきこと
人を集めて時間を使う価値があるのは、次のような場面です。
その場で結論を出す
関係者がそろっていて、判断できる人がいる。この状態でしか決まらないことがあります。「持ち帰って検討します」が続く議題は、決められる人が出席していない可能性があります。
意見が割れている論点をすり合わせる
文字だけだと、立場の違いが伝わらず、平行線になります。声のやりとりがある場のほうが、折り合う点を見つけやすくなります。
悪い知らせを伝える
遅れや不具合の報告は、チャットに書いて終わりにしません。相手の反応が見えない状態で悪い話だけが残ると、受け取り方が悪いほうに傾きます。会議で背景と対応案をセットで伝えます。
初顔合わせ
キックオフや新メンバーの参加時です。相手がどんな人かが分かっていると、その後のチャットのやりとりが一気にやりやすくなります。
■ チャットで済ませること
次のようなものは、会議の議題にしません。
事実の確認(「あの日付は何日でしたか」「もう納品されましたか」)
作業の依頼と、受け取りました、の連絡
会議の日程調整
相談の入口(「ちょっと困っているので、あとで5分いいですか」)
ここで大事なのは、チャットに書いた内容は流れていくということです。3日たつと誰も遡りません。
■ チャットで決まったことは、必ず文書に書き写す
いちばん事故が起きやすいのがここです。
チャットで「じゃあB案でいきましょう」と決まったとします。その場にいた3人は納得しています。しかし、その場にいなかった人には伝わっていません。数週間後、「聞いていない」という話になります。
ルールはひとつです。チャットで何かが決まったら、その場で議事メモか決定事項ログに1行書き足す。手間は30秒ですが、これをやるかどうかで後半の混乱がまったく違います。
■ 会議を短くする3つの方法
① 議題に「報告」と「相談」の印をつける
報告は読めば分かるので、資料を先に配って会議では触れません。会議の時間は相談に使います。
② 決める議題には、案を用意しておく
「どうしましょうか」から始めると、会議時間の半分が案出しで消えます。A案・B案と、PMとしての推奨を先に出しておけば、議論は「どちらを選ぶか」から始まります。
③ 終わりに「決まったこと」を読み上げる
最後の2分で、決定事項と担当と期限を声に出して確認します。ここでズレが見つかることは珍しくありません。会議が終わってから議事メモで発覚するより、はるかに安く済みます。
■ 定例会議を惰性で続けない
プロジェクトの序盤に決めた「毎週火曜1時間」が、フェーズが変わっても続いていることがあります。
報告だけの会議になっていると感じたら、いったん見直します。
隔週にできないか
30分にできないか
出席者を減らせないか
逆に、トラブル対応中は毎日15分に増やすほうが有効なこともあります。会議の頻度は、プロジェクトの状態に合わせて変えるものです。
■ まとめ
結論を出すなら会議、事実を聞くならチャット、残すなら文書。この3つを混ぜないだけで、会議の時間は減り、決まることは増えます。
まずは次の定例の議題を見て、チャットで済むものが混ざっていないかを確認してみてください。