課題管理表を生かす運用
課題管理表は、プロジェクト管理でいちばん地味で、いちばん効く道具です。
うまく回っているプロジェクトは、課題管理表を見れば状況が分かります。逆に、課題管理表が死んでいるプロジェクトは、たいてい進んでいません。

■ 見分け方は「担当と期限」
課題管理表が機能しているかどうかは、1つのことで分かります。全行に担当者と期限が入っているかどうかです。
次のような書き方になっていたら、その課題は動きません。
担当が「チーム」「関係者」「全員」になっている
期限が空欄、または「随時」「調整中」
状態が「検討中」のまま3週間以上
担当が個人名でなければ、誰も動きません。期限がなければ、後回しになります。「誰が、いつまでに」がない課題は、記録しているだけで管理していません。
■ 6つの列
No 番号。会議で「12番の件ですが」と参照できます
課題 困っていることを具体的に。「帳票Bの様式が未確定で、設計が止まっている」
重要度 高・中・低の3段階。細かく分けても運用できません
担当 個人名。組織名にしない
期限 解決の期限ではなく、次のアクションの期限でも構いません
状態/次のアクション いま何をしていて、次に何をするかを1行で
最後の列がポイントです。「検討中」ではなく「業務部内で確認中。9/24の部内会議で決定」と書けば、次に何が起きるかが分かります。
■ 課題の書き方
課題は「困っていること」を書きます。解決策を書くのではありません。
×「帳票Bの様式を決める」(やることになっている)
○「帳票Bの様式が未確定で、設計が止まっている」(困っている状態)
困っている状態で書くと、解決策を複数考えられます。「やること」で書くと、その方法しか検討されません。
また、影響も書きます。「設計が止まっている」があると、重要度の判断ができます。
■ 運用の4つのルール
① 誰でも起票できるようにする
PMだけが書く表になっていると、現場の課題が上がってきません。メンバーが直接書き込める場所に置き、「気になったら書いてください」と伝えます。
② 定例では「期限切れ」だけを見る
全件を読み上げると時間が足りません。期限が過ぎているもの、今週期限のものだけを確認します。それ以外は各自で管理します。
③ 解決したら、その場でクローズする
解決済みのものが残っていると、件数が膨らんで読まれなくなります。定例で「これはもう解決していますね」と確認したら、その場で閉じます。
④ 3週間動いていないものを見直す
同じ状態のまま3週間経っている課題は、たいてい次のどれかです。
担当者が忙しくて手が回っていない → 担当を変えるか、優先度を下げる
その人だけでは決められない → エスカレーションする
実はもう課題ではない → クローズする
放置されている課題は、管理表の信頼を下げます。動かないなら、動かない理由を扱います。
■ リスク管理表との使い分け
課題管理表 すでに起きていて、対応が必要なこと
リスク管理表 まだ起きていないが、起きるかもしれないこと
リスクが現実になったら、課題管理表に移します。1つの表に混ぜると、どちらも機能しなくなります。
■ 件数の推移を報告に載せる
週次報告には、件数の推移を入れます。
「課題 新規3件・解決5件・残12件(先遑14件)」
残件数だけでは、良くなっているのか悪くなっているのか分かりません。新規と解決の両方を出すと、ペースが見えます。新規が解決を上回る状態が続いていたら、警告サインです。
■ まとめ
課題管理表は、全行に個人名の担当と期限が入っていることが命です。状態欄には「次に何をするか」を書き、定例では期限切れだけを見る。
いま手元の課題管理表を開いて、担当が空欄の行がないか確認してみてください。そこが止まっている場所です。