未来PM
PjMノウハウ

作業が進んでいないメンバーへの向き合い方

依頼した作業が、何週間も動かない。確認するたびに「すみません、これからやります」と返ってくる。しかし翌週も状況は変わらない。

このとき催促を重ねても、まず解決しません。催促で動くなら、とっくに動いているからです。必要なのは、なぜ動いていないのかを確かめることです。


■ 原因は4つに分かれる

作業が進まない原因を4つに切り分け、それぞれの対応を示した図

重要なのは、4つのうち3つが本人の意欲とは関係ないことです。分からない、手が足りない、待たされている。どれも催促では解決しません。

それでも「やる気がない」と解釈してしまうのは、外からはどれも同じに見えるからです。だから、決めつける前に確かめる手順が要ります。


■ 確かめ方

聞き方を変えるだけで、かなり分かります。

  • 「進んでいますか」ではなく「いまどのあたりですか、画面を見せてもらえますか」:手が止まっている場所が分かる

  • 「間に合いますか」ではなく「いま抱えている作業を全部教えてください」:稼働の問題かどうかが分かる

  • 「何か問題は」ではなく「誰かの返事を待っていることはありますか」:待ちが見える

  • 「どう思いますか」ではなく「この進め方、気になるところはありますか」:納得していない場合に出てくる

いずれも、本人を評価しない形の質問です。「なぜ進んでいないのか」と直接聞くと、理由の説明ではなく弁明が返ってきます。


■ 原因別の対応

分からない場合は、説明を足すより一緒に手を動かすほうが早く進みます。画面を共有して、最初の30分だけ並走する。技術的に難しいなら、詳しい人につなぐ。あわせて、質問が来なかった理由を考えます。聞きにくい空気を、こちらが作っていることがあります。

できない場合は、優先順位をこちらが決めます。複数の作業を抱えた人に「全部お願いします」と言うのは、実質的に何も指示していないのと同じです。「Aを先に、Bは来週に回してください」と、外す判断まで含めて示します。

待っている場合は、PMが取りに行きます。他部署や顧客からの回答待ちを、担当者が自力で動かすのは難しいものです。ここはPMの役割であり、本人に催促するのは筋が違います。

納得していない場合は、理由を聞きます。反対の裏に、こちらが見落としていた正しい指摘があることは珍しくありません。聞いたうえで方針が変わらないなら、なぜその判断なのかを説明します。「決まったことなので」で押し切ると、表面的に従って実質的には動かない、という状態になります。


■ それでも動かないとき

4つを確かめても状況が変わらない場合があります。体調や私生活の事情、プロジェクト外の要因が関係していることもあります。

この段階では、PMだけで抱えないほうが賢明です。本人の上長に状況を共有し、対応を相談します。評価のためではなく、支援のためであることを伝えたうえで進めます。

あわせて、プロジェクトとしての備えも始めます。その作業を他の人に振る、範囲を縮める、日程を調整する。人の問題が解決するのを待って、プロジェクトが止まるのは避けたいところです。


■ 普段からできること

問題が起きてから対処するより、起きにくい状態を作るほうが効きます。

  • 週1回の1対1を持つ:全体の場では言えないことが出てくる

  • 作業を小さく割る:1週間以上かかる作業は、途中で止まっても見えない

  • 中間確認の日を決めておく:期限日に「できていません」と言われる事態を防げる

  • 助けを求めやすくする:PM自身が「これ分からないので教えてください」と言う場面を作る


■ チェックリスト

  • 催促の前に、原因を確かめたか

  • 質問が本人を評価する形になっていないか

  • 待ちが原因なら、PMが取りに行っているか

  • 優先順位を示し、外すものを決めたか

  • 反対意見の中身を聞いたか

  • 長引く場合、一人で抱えずに相談したか

作業が進まないとき、最も早い解決は「何に詰まっているか」を一緒に見ることです。催促は、相手に状況を伝える手段ではありますが、状況を変える手段ではありません。

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