朝会は必要か、やめるべきか
毎朝15分の朝会。メンバー8人が参加していれば、1日2時間、1か月で40時間を使っている計算になります。人月に換算すれば、それなりの金額です。
それだけの価値があるかどうかは、何のためにやっているかで決まります。惰性で続いている朝会は、やめたほうが全員のためになります。
■ 判断の基準

分かれ目は単純で、メンバー同士に調整の必要があるかどうかです。
複数人が同じ機能を触っている、前工程の成果を待っている、環境を共有している。こうした状況では、毎日すり合わせる価値があります。一方、各自が独立した作業を持っていて、互いの進み具合を知る必要がないなら、朝会は情報の共有ではなく報告の場になります。
■ 「PMが状況を知るため」はやめる理由になる
朝会を続ける理由として最も多いのが、これです。しかし、PMが状況を把握したいという目的なら、全員を集める必要はありません。
管理表を見れば済むなら、それで足ります。それで足りないなら、必要な人に個別に聞くほうが早く、相手の時間も奪いません。8人の15分を使って、PM1人の疑問を解消するのは、費用対効果が合いません。
■ 続ける場合の設計
やると決めたら、崩れないように形を決めます。
15分で終える:時間を決めないと、必ず延びます。延びる話が出たら「あとで関係する3人で」と切って、次に進みます
話すのは3つだけ:昨日やったこと、今日やること、詰まっていること。この3つ以外は話さないと決めます
PMへの報告会にしない:全員がPMのほうを向いて話し始めたら、その朝会は報告会になっています。メンバー同士が聞き合う場であることを、何度か言葉にして伝えます
その場で解決しない:詰まっている人がいたら、誰がいつ助けるかだけを決めて、解決は後に回します
最後の項目が守れないと、朝会は必ず延びます。技術的な相談が始まると、関係のない6人が15分待つことになります。
■ 「詰まっていること」を言える空気を作る
3つの話題のうち、実際に価値があるのは3つ目だけです。ところが、ここが最も言いにくい項目でもあります。
「特にありません」が続くようなら、形式が機能していません。有効なのは、PMが自分の詰まりを先に言うことです。「私のほうは顧客からの回答待ちで止まっています」と最初に出すと、続きやすくなります。
もうひとつ、詰まりを報告した人に対して、その場で理由を問わないことも大切です。「なぜそこで止まったのか」を聞かれる場になると、次から誰も言わなくなります。
■ やめるときの伝え方
やめると決めたら、宣言して終わります。自然消滅させると、「あの会議どうなったんでしょう」という宙ぶらりんな状態が残ります。
伝え方は、否定から入らないほうがうまくいきます。「効果がないのでやめます」ではなく、「いまは各自の作業が独立しているので、いったん週1回にします。必要になったら戻しましょう」という形です。実際、工程が変われば必要性も変わります。
■ 代わりに置くもの
朝会をやめる場合、情報の流れを別の形で確保します。
チャットでの定型投稿:各自が朝に3行書く。読みたい人が読む形にする
週1回に減らす:頻度を落として続ける。毎日である必要がないだけの場合が多い
個別の15分:PMが週1回、メンバーごとに話す時間を持つ
三つ目は、朝会よりも効果が高いことがあります。全員の前では言えないことが出てくるためです。
■ チェックリスト
朝会の目的を言葉にできるか
メンバー同士に調整の必要があるか
15分で終わっているか
PMへの報告会になっていないか
「詰まっていること」が実際に出てくるか
やめる場合、代わりの情報経路を用意したか
朝会は、あって当たり前のものでも、なくて当たり前のものでもありません。工程やチームの状態によって、必要性は変わります。定期的に見直す対象として扱うのが、いちばん実態に合います。