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 現在位置:ナレッジ >> プロジェクト管理 >>問題課題分析プロセス 通常モード

問題課題分析プロセス
どの業界や職種においても応用できる普遍的なプロセス
投稿者:u187
投稿日時:Sunday, July 27, 2025


 

以下のプロセスは、どの業界や職種においても応用できる普遍的なものです。各ステップを丁寧に進めることで、表面的な対処に終わらず、根本的な問題解決へと導くことができます。

 


1. 現状確認 (Current State Analysis)

このステップの目的は、今、何が起きているのかを客観的に把握することです。漠然とした「何かうまくいっていない」という感覚を、具体的な事実とデータに基づいて明らかにします。

具体的な内容:

  • 情報収集:

    • 定量的データ: 売上データ、コスト、生産性、顧客数、エラー率、アンケート結果など、数値で測れるデータを集めます。

    • 定性的データ: 関係者へのヒアリング(顧客、従業員、パートナーなど)、現場の観察、議事録、クレーム内容など、言葉や状況で表現される情報を集めます。

  • 事実の整理と可視化: 収集した情報をグラフ、表、フロー図などで整理し、視覚的に分かりやすくします。これにより、全体像を把握しやすくなります。

  • 目標とのギャップ特定: 理想の状態や目標値と、現状との間にどの程度の隔たりがあるのかを明確にします。このギャップこそが、潜在的な「問題」の入り口になります。

ポイント: 感情や憶測を排除し、事実に基づいた客観的な情報収集を徹底することが重要です。

 


 

1.5. ニーズ確認 (Needs Assessment)

このステップの目的は、現状の裏側にある関係者の欲求、期待、未充足の要求を深く理解することです。表面的な不満だけでなく、本当に「どうなりたいのか」という潜在的なニーズを探ります。

具体的な内容:

  • 関係者への深掘りヒアリング:

    • 顧客、従業員、管理職、パートナーなど、問題に関わる主要な関係者にヒアリングを行います。

    • 単に「困っていること」だけでなく、「理想の状態は何か」「何があればもっと良くなるか」「どのような価値を求めているか」といった肯定的な側面や将来への期待を掘り下げます。

    • 具体的な事例や感情、背景にあるストーリーを聞き出すことで、表に出てこないニーズを把握します。

  • アンケートやインタビューの設計: ニーズを効率的に収集するための質問項目を工夫します。自由記述欄を設けたり、具体的なシナリオを提示して回答を引き出したりします。

  • 顧客ジャーニーマップの活用: 顧客がサービスや製品を利用する一連のプロセスを可視化し、各接点での感情や体験、そして満たされていないニーズを洗い出します。

  • 競合分析・市場調査: 競合他社が提供している価値や、市場全体のトレンドから、自社の顧客が潜在的に求めているニーズを推測します。

ポイント: 共感的な姿勢で、相手の本音や潜在的な願望を引き出すことが重要です。見えている事実の奥にある「なぜそう感じるのか」「どうして欲しいのか」を深く探ることで、後の問題定義がより的確になります。

 


 

2. 問題見える化 (Problem Visualization)

現状確認で得られた情報とニーズ確認で把握した関係者のニーズとの乖離から、具体的に解決すべき「問題」を明確にするステップです。曖昧な表現ではなく、誰が見ても理解できる形で問題を定義します。

具体的な内容:

  • 問題の言語化: 「〇〇が△△という理由で、ニーズである□□を満たしておらず、目標値の××に達していない」のように、具体的かつ測定可能な形で問題を記述します。例:「顧客からの問い合わせに対する初回解決率が50%であり、顧客が『早く自己解決したい』というニーズを満たしておらず、目標の80%に達していない。」

  • 問題の細分化: 大きな問題は、複数の小さな問題から構成されていることがあります。全体像を把握しつつ、解決しやすい単位に問題を分解します。

  • 影響範囲の特定: その問題が誰にどのような影響を与えているのか、ビジネス全体にどのような損失をもたらしているのかを明確にします。これにより、問題解決の緊急度や重要度を判断する材料になります。

ポイント: 問題は「何が」「どうなっているのか」「どれくらい」「(誰の)どのようなニーズを満たせていないのか」を明確にすることで、次のステップに繋がりやすくなります。

 


 

3. 原因分析 (Root Cause Analysis)

見える化された問題が「なぜ起きているのか」という根本的な原因を特定するステップです。表面的な原因だけでなく、その奥にある真の原因、そして満たされていないニーズが生まれる背景を探ることが目的です。

具体的な内容:

  • 「なぜなぜ分析」(5 Whys): 問題に対して「なぜ?」を5回程度繰り返すことで、根本原因を深掘りしていきます。

  • 特性要因図(フィッシュボーン図): 問題の結果(頭)に対して、人、設備、材料、方法、測定、環境などのカテゴリから、考えられる原因を洗い出し、関連性を整理します。

  • パレート分析: 複数の原因がある場合、その中で問題の大部分を引き起こしている少数の原因(重要少数)を特定します。

  • その他フレームワーク: ロジックツリー、FTA(故障の木解析)なども有効です。

ポイント: 原因は複数あることがほとんどです。一つに絞り込まず、あらゆる可能性を検討し、論理的に深掘りすることが重要です。

 


 

4. 課題定義 (Challenge Definition)

根本原因が特定できたら、それを解決するための「課題」を具体的に定義するステップです。「課題」とは、「問題解決のために、これから取り組むべきこと」であり、満たされていないニーズを満たすための具体的な目標でもあります。

具体的な内容:

  • 課題の明確化: 特定された根本原因を解消し、同時に明確になったニーズを満たすために、具体的に何を達成すべきかを記述します。問題が「顧客からの問い合わせに対する初回解決率が50%であること」で、原因が「FAQの整備不足」であり、ニーズが「早く自己解決したい」であれば、課題は「FAQを整備し、顧客が自己解決できる環境を構築することで、顧客ニーズを満たす」といった形になります。

  • 達成目標の設定: 課題を解決した結果、どのような状態になるか(定量的な目標値)を設定します。例:「FAQの利用率を20%向上させる」「初回解決率を80%に引き上げる」「顧客満足度をX%向上させる」など。

  • 優先順位付け: 複数の課題がある場合、影響度、緊急度、実行可能性などを考慮して優先順位をつけます。

ポイント: 課題はSMART原則(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)に沿って設定すると、後の対策検討やロードマップ作成がスムーズに進みます。ニーズが明確になっていることで、より顧客志向の課題設定が可能になります。

 


 

5. 対策検討 (Solution Development)

定義された課題を解決するための具体的な「対策」を立案するステップです。ニーズを最大限に満たし、効果的で実現可能なアイデアを多角的に検討します。

具体的な内容:

  • アイデア発想: ブレインストーミング、KJ法、SCAMPER法などを活用し、自由な発想で様々な対策案を出し合います。この際、満たすべきニーズを常に意識し、そのニーズに合致する解決策を優先的に検討します。

  • 対策案の具体化: 出てきたアイデアを、具体的な行動レベルまで落とし込みます。「誰が」「何を」「いつまでに」「どのように」行うかを明確にします。

  • 効果とリスクの評価: 各対策案について、期待される効果(定量的・定性的)、必要なコスト(時間、人員、予算)、潜在的なリスクを評価します。ニーズ充足度も評価項目に加えることで、より質の高い対策を選定できます。

  • 実現可能性の検討: 組織のリソース、技術、スキル、制約などを考慮し、現実的に実行可能かどうかを検討します。

  • 対策の絞り込みと選択: 評価結果に基づき、最も効果的で実現可能性が高く、かつニーズを適切に満たす対策案を選定します。

ポイント: 複数の選択肢を比較検討し、ベストな対策を選ぶことが重要です。単一の対策に固執せず、柔軟な発想を持つことが求められます。

 


 

6. ロードマップ作成 (Roadmap Creation)

選定された対策を実行に移し、課題解決を実現するための具体的な計画を立てるステップです。これにより、目標達成までの道筋が明確になります。

具体的な内容:

  • タスクの分解とスケジュール化: 選定した対策を具体的なタスクに分解し、それぞれのタスクの開始日、終了日、担当者を設定します。ガントチャートやPERT図などが有効です。

  • 役割分担と責任範囲の明確化: 各タスクの責任者を明確にし、誰が何を行うのかを明確にします。

  • 必要なリソースの確保: 人員、予算、設備、情報など、タスク遂行に必要なリソースを特定し、確保します。

  • 進捗管理と評価指標の設定: プロジェクトの進捗を定期的に確認するための会議体や報告プロセスを設定し、課題解決の度合いを測るためのKPI(重要業績評価指標)を設定します。ニーズが満たされているかどうかの指標(例:顧客満足度、利用者アンケート結果)も組み込みます。

  • リスクと対応策の検討: 計画段階で予見されるリスク(例:予期せぬトラブル、リソース不足)と、それらが発生した場合の対応策を事前に検討します。

ポイント: ロードマップは一度作成したら終わりではありません。状況に応じて柔軟に見直し、常に最適化していく意識が大切です。

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